ネタバレ感想
必ず本編を読んでから見て下さい、犯人やトリックが解ってしまいます

殺戮にいたる病
我孫子武丸講談社324項1996年
  最後の最後に、「犯人=蒲生稔=雅子の息子」という形式が間違っていた事に気付く、「犯人=蒲生稔=雅子の夫」だったのだ。
えっ!と思い読み返してみると、なるほど稔、雅子、樋口の3人の視点だけでなく、義母・容子の視点もある。
家族に連続殺人犯が?と思い様子をうかがっていたのは雅子だけでなく信一もだったのである。
ただ、雅子は信一を、信一は父親を疑っていた。 信一は父親の撮った8ミリを見つけ(そこを雅子が見て疑いを増し)、庭に埋めたビニール袋も発見した。(雅子はそれを信一が埋めたと思い込み犯行を確信する)
しかし、信一も雅子も犯行の証拠を見つけながら、そのおぞましい物を家族に見せるわけにはいかないと考え、自分でこれ以上の犯行を止めさせようとする。
皮肉にも、そのために雅子は私(読者)と同じく勘違いに気付かず、息子も義母も夫に殺害されてしまう。
そしてあえて最初に書かれたエピローグへと戻る。う〜ん、Bad End。
  雅子、容子を‘母親’、稔、信一を‘息子’とし、うまく最後まで(信一が殺されるまで)ダマし通したな〜と感心した反面、30歳前後という犯人像に対して43歳の稔、20歳の信一。
43歳の稔が自分の勤める大学の学食で生徒をナンパしていた設定には無理を感じた。
  しかし、このダマシ絵のような作品をさら寒くさせているのは、ネクロフィリアであり近親相姦願望の稔があまりにも平然としている事であろう。
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