零崎軋識の人間ノック | |||
西尾維新 | 講談社 | 329項 | 2006年10月 |
え〜、今回も名前付きで登場する人物は、全員が全員、天才です(笑) 主役は、一賊史上最も荒々しく最も容赦ない手口で人を殺してきた殺人鬼、半ば伝説として語られていた零崎一賊の大将、零崎軌識。 ところが、いざフィーチャーしてみると、これが実に、、、愛すべきダメ野郎でした、唾棄すべきダメ野郎でした。 戯言シリーズでは、すでに死んじゃってる子荻ちゃんや玉藻ちゃんが、今作では自分でレクイエムを奏でるがごとくの占有率。 本編では名前しか登場しなかった“病蜘蛛”の市井遊馬もたっぷり登場して、一山丸ごと手中にするような曲弦糸をみせ、 10歳にして死神の萌太くんは、400人の警備員を一人も殺さずに大鎌で刃背打ちにし、 おまけに、崩子ママの闇口憑依まで登場して、あの“人類最強”哀川潤を翻弄する。 もちろん、潤さんは40階建てのビルを崩壊させるわ、クレジットカードを見るだけで残高や暗証番号を見抜くわと、相変わず規格外のデタラメっぷり。 さらにさらに、“自殺志願”零崎双識は、あの闇口濡衣を罠にかける“二十人目の地獄”ぶり、中学一年生の子荻ちゃんにストーカー以上のロリコン変態ぶり、と新スキルを披露。 人間失格・零崎人識も、“人喰い”出夢くんと“闇突”玉藻ちゃんにベタボレされる戦闘能力をみせつける。 みんなみんな、番外編ならではの大活躍。 なのに、主役の零崎軌識ときたら、 ・弟の人識に対して恐怖感と危機感を抱く ・‘メイド仮面’千賀てる子さんに、殺されたうえ、生き返らせてもらい、心も体も折られる完敗を喫する ・14歳の‘暴君’玖渚友ちゃんにベタ惚れで、足の指をしゃぶらせてもらうために働く ・潤さんにいいように弄られ、これでもかとオモチャにされる ・まだ小学生の萌太くんにビビリまくる まったくもう良いとこなしの、ダメダメぶり (¬_¬) 本作で、潤さんは闇口憑依と対峙したときに、闇口衆のことを「零崎一賊に比べりゃまだマシだけど」と零崎を評価してるのに、その5年後の戯言シリーズでは、いーちゃんから零崎人識の名を聞いたときに、「匂宮や闇口よりはマシとは言え……」と言ってた。 おいっ、潤さんの中で零崎のランクが下がってるぞ! さらにサイコロジカルでは零崎愛識なんて偽名まで使われ、もう本当にナメられまくり。 どう考えても零崎株を下げたのはオマエだー (゚听) そういえば、クビシメロマンチストで人識は潤さんのことを、 「いや、俺も大将に昔聞いたことがあるだけだけどな……」 「絶対に関わるなって深く言われてるよ、俺は」 て言ってたな。 よっぽど怖かったんやねえ (^m^) ところで、軋識にはもう一つの顔があります。 <愚神礼賛>零崎軋識 = <街>式岸軋騎 彼は、この事実を零崎一賊にもチームにも、ひた隠しにしてます。 かろうじて正体を知られてるのは“狂獣”綾南豹だけだと思っていたのに、作中の序盤で子荻ちゃんにバレていることが発覚。 ネコソギラジカルでは既にチーム全員にバレてたし、さらに人識にもバレ、人識の会話から既に双識にもバレていたことも判明。 あぁもうバッレバレ (>_<) それでも、たとえ世界中の人にバレても、愛しき“暴君”友ちゃんにさえ自分が零崎であることがバレなければ、オールオッケーなんです d(^-^*) ところで、何故に玖渚友は軋識のことを「ぐっちゃん」と呼ぶんでしょう? 式岸軋騎 (しきぎしきしき) 街 (ばっどかいんど) どこにも『ぐ』なんて入りませんが (・・? 零崎軋識 (ぜろざききししき) 愚神礼賛 (しーむれすばいあす) どこにも『ぐ』なんて、 ……愚神礼賛 『愚』神礼賛 『ぐ』神礼賛 バレてる!最初っからバレてるよ「ぐっちゃん」!! Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) |
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