時計館の殺人 | |||
綾辻行人 | 講談社 | 290項 | 1987年 |
本編を読んでまず最初に感じることは、「青いな、幼稚やな」であった。 なにしろ外部と連絡が取れない孤島に、大学のミステリ研なる者達が向かい、なおかつ部員同士が恥ずかしげもなくニックネームで呼び合うのだから。 しかし、まさかこの事がトリックの鍵だったとは…。もしかして、この「青いな、フッ」と思わせること自体が、綾辻氏の仕掛けた大きな罠だったのではと思える。 レベルを低く観せての、あのどんでん返し。 守須恭一が「ヴァン・ダインです」と名乗った一行は、「なにー!!!」であった。 たしかにプロローグの内容から犯人はヴァンかな?と感じたし、本土での守須の行動は少し不自然ではあったが、角島と本土の2つの話がどのように繋がるのかと思っていたら、まさか同一人物とは、小説ならではの技だが完全に騙された。 この事実が分かると、あちこちに伏線が有ったことが思い返される、もう一度読んで も楽しめる作品であろう。 他の推理小説と一線を画しているのは、本編にはいわゆる名探偵は登場しないという ことである、島田潔という探偵役がいるが、あくまでも主役は「館」なのである。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||