四季 秋 | |||
森博嗣 | 講談社 | 272項 | 2004年 1月 |
純粋に、犀川と萌絵の物語の続きがまた読めて嬉しい (^^) 国枝桃子の憮然とした静謐さも、睦子のパワーあるお節介も、諏訪野の奥床しさも、そして犀川と萌絵の恋の行方も相変わらず(微笑) 大学のシーンではその風景が目に浮かぶように懐かしかった、別に映像で見たわけじゃないのに(笑) それほど私の中でS&Mシリーズは印象が強かったんだなと再確認。 しかし今更ながら、義同世津子の母親が祖父江七夏だと明言されて、「えっ! あぁぁ」と驚き納得してしまった。 犀川創平の妹なのだから、当然すでに気付いているべき事で…あぁ、バカだ。 そして、保呂草、各務と、犀川、萌絵が出会う場面。 思わず含み笑いが (*^-^*) ところで各務亜樹良ってあんな性格でしたっけ? 昔はもっとクールだったのに…時が人を変えるのか、歳が人を変えるのか。 いや〜、楽しめる作品でした。 それにしても、ここまで読む人を選ぶ作品も珍しい、まさか森博嗣初読でコレを手にする人はほとんど居ないとは思うけど、「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」その他「短編集」を全読してないと分からない事だらけでしょうに…。 このシリーズ、読めば読むほど疑問になるのは、森さんはどの時点でここまでの構想を練ってたのか? 30刊近い作品全てに辻褄を合わせ、複線を張り、リンクさせ、時系列を組み合わせ、一つの長編に仕上げていく。 新刊が出るほどに過去の作品に深みが増して…凄すぎます。 さて、『Green Spring』『Red Summer』『White Autumn』ときて、次は『Black Winter』でしょう。 でもなぜ『赤緑黒白』とは順序が違うのか? もちろん森流の確信犯でしょうね。 <名言、名場面> ●「歴史的に築かれたモラルは、そのほとんどが、生命を守るために、我々が存続するために選ばれた手法の一部なんだ。人を殺してはいけない。人を食べてはいけない。血縁者と交わってはいけない。生命は神聖なものだ。人は神によって作られた。堕胎をしてはいけない。自殺をしてはいけない。しかし…」 「それらはすべて、結局のところ、人の集団を守るためのエゴでしかない。自然を破壊してはいけない、何故か?それは人が生きにくくなるからだ。あらゆる道徳は、そのエゴから発している。それが良い、悪いという話をしているのではない。誤解しないで。我々のモラルと、真賀田博士のモラルが違うのは、その基盤が、人間社会にあるのか、それとも、彼女自身にあるのか、その差だ。彼女にとっては、自分自身が世界の中心にある。僕たちは、社会の中心にけっして自分を置こうとはしない。最初から、自分の存在を他人に預け、歴史に預け、役割を担うことを恐れ、働きかけをしないよう、避けている。僕たちは、平穏無事に、ただ安穏と生きていければ良い、毎日が楽しければ良い、美味しいものが食べられれば良い、自分だけが病気にならなかったらそれで良い、と考えている。さて、いったい、どっちが本当のモラルだろう?どっちが真のエゴだろう?」 ●「貴方が、太陽を好きになったか、扇風機を好きなったか、の差です」 ●「人は、自分が許せないときに、悲しくて泣く、そして、自分が許せたときに、嬉しくて泣くの」 |
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